世界に誇る「日本食」、インスタントラーメンの魅力

インスタントラーメン美味しい

昨年、「和食 日本の伝統的な食文化」が世界無形文化遺産に登録され、日本の食事に対する関心がますます高まっています。

「日本人の心意気」を映し出す食文化が世界に広がっていくのは誇らしいものがあり、日本人としてはますますそれらを守り、育てていかなければなりません。

懐石料理、刺身、寿司、天麩羅、味噌汁等々……。

これら独特の食は日本を象徴するものではあります。

しかし、みなさん。「和食」の範疇には入らないかもしれませんが、日本には世界に誇るべき「日本食」があるのをご存じですか?

それこそ、今回話題にするところの「インスタントラーメン」なのです。

 

世界に溶け込む「インスタントラーメン文化」

昨年、ラーメンブログとしてアメリカでは名高い「THE RAMEN RATER」において、「2013年の世界の美味しいインスタント麺ベスト10」が発表されました。

日本からは6位に「明星一平ちゃん 夜店の焼きそば」、7位に「サッポロ一番焼きそば」がランクインしました。

1位に輝いたのはシンガポールの「Prima Taste ラクサラーメン」でした。

Taste Singapore Laksa La Mian no

他にランクインしたのは韓国の農心やインドネシアのIndomie、タイのMAMAなどでした。

ちなみに2012年には「サッポロ一番塩ラーメン」などがランクインしていたりしましたが、日本としては少し寂しい限りです。

ただ視点を変えれば、日本で生まれた「インスタントラーメン」が、世界に広がり現地に根付いているということの裏返しともいえます。

即席麺需要

即席ラーメン業界の国際団体である「世界ラーメン協会」が2009年から調査した各国の即席めんの需要をみてみると、中国やインドネシア、ベトナムなどの東アジア諸国だけでなく、ブラジル、メキシコなどの南米諸国、ロシアやイギリスなどのヨーロッパ諸国からサウジアラビアやナイジェリアといった中東・アフリカ諸国に至る幅広い国・地域でインスタントラーメンが食されていることがわかります。

人口比率や市場の大きさから中国がトップになるのはわかりますが、当の日本は3位になっています。

人口ひとりあたり

これを人口1人当たりがどれだけ即席めんを食しているかをみると、さらに結果が異なってきます。

これでみると韓国が圧倒的に高く、1人当たり73.7食をとっており、需要トップの中国の倍以上となっています。

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韓国のドラマや映画などをみると、意外に多くラーメンを食べているシーンが出てきて、それらはほぼ100%インスタントラーメンとなっています。

家庭のみならず、外食産業でも使われているのはインスタントで生めんが使用されることはぼぼない、のは有名な話です。

日本では、ラーメン店などでは生めん(場合によってはその店舗で製麺したもの)を使用しますが、アジア各国ではインスタントラーメンを店舗で提供することは珍しくありません。

韓国以外で有名な例としては「日清 出前一丁」が広く普及している香港などがあげられます。

出前一丁 香港
(出典:旅行情報サイトトラベルコちゃんより)

東南アジア諸国などでは各種インスタントめんが屋台などで提供されており、朝食にラーメンを食べて職場に向かうといった日本の「朝ラー」を先にゆく光景なども日常的に見られるそうです。

 

「インスタントラーメン」誕生

1958年に発売された日清食品の「チキンラーメン」が、インスタントラーメンの元祖として知られています。

同社の創業者である安藤百福氏が、大阪・池田の自宅庭に設けた小さな研究所から誕生したこの食品は、「お湯をかけて2分間」でゆでたてのラーメンができあがると評判になり(当時。現在では3分間となっている)、爆発的な売れ行きを示しました。

チキンラーメン
(出典:ウェブ朝日広告インタビューより)

あまりの売れ行きに生産が追いつかなくなり、売り切れが続出しました。

これを見た各メーカーが「インスタントめん」市場に参入してきて、競争の激化と新商品の開発ラッシュとなりました。

現在も続く、明星食品やマルちゃんの東洋水産、サッポロ一番のサンヨー食品などが次々と参入、新製品を投入してきました。

当初スープ・麺一体となっていたスタイルも、1962年の「支那筍入り明星ラーメン」の登場で「スープ別添の炊き(ゆで)めん」方式に主流が移っていきます。

1963年には「日清焼きそば」(日清食品)、「即席ワンタンメン」(エースコック)、「マルちゃん たぬきそば」(東洋水産)といったラーメン以外の即席めんが登場し、消費者の選択肢も広がりを見せていきます。

海外への輸出も1963年明星食品が韓国メーカーとの合弁を機に開始され、今では50カ国以上に輸出され、また現地で独自に生産されるようになっています。

 

カップ麺の登場へ

1961年、明星食品は神奈川県の鎌倉・由比ヶ浜の海の家で「明星チャーシューメン」と名付けた史上初のカップ麺を試験販売しました。

袋麺が30円前後のこの当時、50円の価格で投入しましたが、容器の耐久性など問題点が発覚して製品化・特許出願等を断念することになってしまいました。

それから10年。1971年、チキンラーメンでインスタントめんの業界の先頭を行く日清食品はカップ麺第一号製品を世に送り出しました。

それが現在でも大きなシェアを誇る「カップヌードル」です。

カップヌードル

100円という販売価格は、一般消費者からはかなりの高級品と映ったのか、販売当初の売れ行きは芳しくありませんでした。

レジャー施設や深夜勤務の多いマスコミでの自販機販売、自衛隊や警察への納入など、販売経路は限られていました。

それが爆発的に普及したきっかけは、1972年2月発生の「連合赤軍あさま山荘事件」でした。

零下15度までに下がる軽井沢で、テロリストと対峙する機動隊員が食しているところをテレビが放映。

ここから一大ブームとなり、一挙に普及していくことになります。

各社が同様の製品を販売し、カップ麺の市場が誕生していきます。

ちなみに、当時警備活動にあたっていた機動隊員に対し、日清食品は特価で50円で販売したそうです(佐々淳行著「連合赤軍あさま山荘事件」より)。

 

インスタントラーメンのこれから

現在、油で揚げたタイプや熱風乾燥のノンフライ麺、生麺タイプなど、さまざまなインスタントめんが登場してきています。

また、人気ラーメン店の味を再現するシリーズなど、そのバリエーションは広がり続けています。

昨今の小麦をはじめとする材料の値上がりで、必ずしも「安い」食品とは言えなくなってきた面もありますが、それでもそこそこに安く手軽に、しかも長期間保存できて、さらにおいしさを得られるという点では変わっていません。

カップヌードルなど、世界どこに行ってもあるような食品もありますし、これからも「日本発」の「日本食」としてどこまで進化していくか、期待を持って見守っていきたいと思います。



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